
2025.05.28
京田辺市で屋根の生成工事を実施した、事例記事の続きを紹介していきます。屋根は野地板・防水シート・屋根材の三層で基本的に構成されています。前回のブログ▼京田辺市で屋根の新規生成工事、下地の状態から施工完了までの流れを紹介今回はご相談をいただいた修理工事の内容について、それぞれ概要を…

「両親が大切にしていたこの家で、また暮らしたいんです。いぶし瓦の屋根も子供の頃から見慣れた風景だから、なんとか残せないでしょうか…」
そう語るお客様の言葉からは、ご実家への深い愛情と、再びこの場所で生活を始めたいという強い想いが伝わってきました。
長年、空き家だったこともあり、屋根の状態が心配とのこと。
城陽市で現地調査に伺うと、長屋のいぶし瓦は破損し、雨漏りが発生していました。
納屋の屋根も経年劣化が進み、色褪せや割れが確認できる状況でした。
そこで、劣化症状が目立つ屋根の葺き替えをご提案。
施工内容や費用にご納得いただき、工事を請け負うことになりました。
皆さん、こんにちは。街の屋根やさん京都南店です。
本日は、城陽市で長屋と納屋の屋根を葺き替えた施工事例を紹介していきたいと思います。
屋根のメンテナンスを怠っていると、台風が来た時に瓦が落下したり、飛散したり、大惨事に至る可能性があります。
老朽化した屋根に小石や飛来物が飛んできて屋根材が割れたり、欠けたりすることも。
破損した屋根をそのままにしていると、梅雨シーズンに入ってから雨漏りが発生する恐れもあり、注意が必要です。
そこで今回は、長屋と納屋で行った屋根のリフォーム工事の流れと、いぶし瓦やシングル葺きのメリットをご紹介します。
久しく屋根のメンテナンスをしていない方は、本記事の内容をご自宅のリフォームに役立てていただければと思います(о´∀`о)
<そもそも、街の屋根やさんって??>
こちらが今回、雨漏り修理で屋根の葺き替えを行う城陽市の現場になります。
【工事概要】
築年数: 50年以上
建物面積: 210㎡
門長屋:いぶし瓦葺き替え
塀長屋:いぶし瓦葺き替え
納屋:シングル葺き替え
総額(税込): 410万円
遠方にお住まいのお客様でしたが、わざわざ現地までお越しくださいました。
築50年以上という年月を経た長屋は風格あるいぶし瓦の屋根が特徴ですが、お客様によると傷みや経年劣化が気になるそうです。
現地調査:屋根の状態を確認
後日、お客様と一緒にご実家へお伺いし、現地調査を行ったところ、門長屋と塀長屋のいぶし瓦は長年風雨に晒され、瓦の割れやズレ、漆喰の剥がれが目立っていました。
長屋の屋根には苔やカビも発生し、雨どいの詰まりも見受けられました。
納屋のシングル葺きの屋根も経年劣化が進んでおり、早急な補修が必要な状態でした。
調査結果を丁寧に説明すると、「やっぱり、ずいぶん傷んでいるんですね…」とお客様は少し寂しそうな表情をされました。
しかし、今回のリフォームで、また安心して住めるようになることがわかり、楽しみにされている様子も伝わってきました(^-^)
お客様のご希望と屋根の状態を考慮し、門長屋と塀長屋のいぶし瓦は、可能な限り再利用する葺き替えをご提案いたしました。
長年、この家を見守ってきた瓦を大切に残し、不足する分を新しいいぶし瓦で補うことで、風合いを損なうことなく、耐久性を向上させることをご説明しました。
納屋の屋根については、今後の使いやすさやメンテナンス性を考慮し、新しいシングル材での葺き替えをご提案。
長屋との調和も考え、落ち着いた色合いを選びましたよ!
まずは足場を設置してから、既存のいぶし瓦を撤去していきます。
日本の屋根瓦は素材により、以下のような種類に分けることができます。
・釉薬瓦(陶器瓦)
・いぶし瓦
・素焼き瓦
・セメント瓦
・モニエル瓦
いぶし瓦は寺社仏閣などで見られる伝統的な瓦で、古くから日本家屋の屋根に葺かれてきました。
陶器瓦と同じ粘土瓦の一種で、いぶし銀のような色合いが特徴です。
いぶし瓦は窯の中でいぶことで独特の色合いを出しているため、1枚1枚風合いが異なります。
この独特な色合いの正体は瓦をいぶす時に付着する炭素膜になりますが、時間の経過とともに炭素膜は剥がれます。
今回、リフォーム工事を行うことになった長屋のいぶし瓦にも色褪せが見られたので、古い瓦は撤去していきます。
長屋の屋根から一枚一枚いぶし瓦を剥がし、使える瓦とそうでない瓦を選別する作業は、まるでこの家の歴史を辿るようでした。
瓦をめくったら、下地となる葺き土も丁寧に撤去します。
下地の清掃や補修も念入りに行い、新しい屋根材をしっかりと支える土台を築き上げます('◇')ゞ
葺き土を撤去したら、杉のバラ板が姿を見せました。
昔は雨水が侵入しても乾きやすいように、敢えてバラ板で隙間を設けていたんですね。
今は防水シートの性能が上がったので、野地板には強度がある構造用合板が使われるようになりました!
今回の現場では、バラ板の上から構造用合板を被せて、さらに強度を上げていきます(^_^)
野地板を増し貼りした後は、雨漏りを防ぐための防水シートを貼っていきます。
防水シートには色々な種類がありますが、雨水の侵入を防ぐ大事な部分なので、高品質なルーフィングを選ぶことをオススメします!
ちなみに、城陽市の現場で使用した「改質アスファルトルーフィング」は防水性・水密性・耐久性に優れた高性能な下葺き材です。
防水シートを貼ったら、いよいよいぶし瓦を葺いていきますよ(^^)/
いぶし瓦の葺き替えは、熟練の職人による丁寧な手作業が不可欠です。
微妙な調整を繰り返しながら、美しく、そして機能的な屋根へと蘇らせていきます。
新しいいぶし瓦も、既存の瓦と自然に調和するように、丁寧に葺き上げていきました。
【いぶし瓦のメリット】
・独特の光沢や美しさがある
・屋根の温度調整ができる
【いぶし瓦のデメリット】
・汚れやコケか付着しやすい
・寒冷地には向かない
納屋の屋根も長屋と同じように、まず既存の屋根材を撤去しました。
そして、葺き土は袋に入れて屋根の上から下ろします。
土葺き屋根は下地に土をたくさん使っているので、非常に重く、建物にも大きな負担がかかっているんですね。
新築時なら重い屋根も支えられますが、年数が経って躯体の腐食が進むと、地震が来た時に倒壊する恐れもあります。
災害はいつ起こるかわからないので、屋根のリフォームをする際は屋根材の重さも考慮したうえで葺き替えることをおススメします_(._.)_
既存瓦を撤去した後は、バラ板の上に新しい野地板を重ねて貼りました。
雨漏り対策用の防水シートは、長屋と同じ高性能な改質アスファルトルーフィングを採用よ(๑˃̵ᴗ˂̵)
納屋の屋根には、シングルという屋根材を葺きます。
アスファルトシングルとも言われる屋根材で、主な原料はアスファルトとガラス繊維です。
瓦の表面には石粒や砂粒が吹き付けてあり、粒の色によって様々なカラーが楽しめます。
【シングル葺きのメリット】
・軽量で、耐震性が高い
・柔らかく、ひび割れしない
・複雑な屋根の形状にも対応可能
・金属屋根のように錆びない
【シングル葺きのデメリット】
・経年劣化で石粒や砂粒が落ちてくる
・施工できる業者が少ない
納屋は新しいシングル材でしっかりと葺き替え、雨水の浸入を防ぐ安心の屋根に生まれ変わりました☆彡
城陽市の現場では屋根の葺き替えとともに、波板の張り替えも行いました( ̄^ ̄)ゞ
波板が強風で煽られたり、飛散したりしないよう、まずは波板を固定する木下地の交換から。波板は貼りたい場所のサイズに合わせてカットし、留め具で下地にしっかり固定します。
新しく交換すれば、台風被害の心配もなくなりますが、波板の耐用年数は素材によって大きく異なります。
なかには、耐用年数が1~3年程度のものもあるので、できるだけ長く使いたければ、素材選びは慎重に!
ちなみに、ポリカーボネートは10年以上の耐用年数が期待できる波板で、衝撃に対する耐性も備わっているから、メンテナンス頻度が少ない点もメリットです(^^)/
ついに、工事完了です!
足場が外され、美しく生まれ変わった屋根がお目見えしました。
施工前と比べると、いぶし瓦の銀色の輝きが蘇り、長屋全体の風格がより一層際立っています。
施工後の写真からも、その美しい仕上がりと、新しくなった納屋の屋根をご確認いただけるかと思います。
お客様も大変喜んでくださり、「本当に綺麗になりましたね。子供の頃から見てきたこの瓦が、また輝きを取り戻してくれて感無量です。これで安心して、またこの家で生活を始めることができます。本当にありがとうございました。」と、嬉しいお言葉をいただきました。
今回、城陽市の屋根葺き替え工事では、長年空き家だったご実家で再び生活を始めたいというお客様の想いを形にするお手伝いをさせていただきました。
思い出の詰まったいぶし瓦を大切に活かしながら、快適で安心な住まいへとリフレッシュできたことを、私たちも大変嬉しく思います。
空き家になっているご実家のリフォームや、思い出の詰まった建物のメンテナンスでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
お客様の想いを大切に、最適なご提案をさせていただきます!
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